帰ってきた「箱」: 自分の小さな「箱」から脱出する方法

 復帰第1弾はこれにしようと思います。色々草稿はありますが、このニュースを聞いて一番嬉しかったので。

一度は読んでみて欲しい本

 どなたにも一度は読んでみて欲しい本に、「箱 − Getting out of the Box」があります。

箱 − Getting out of the Box
著者: The Arbinger Institute
ページ数: 259ページ
出版社: 文春ネスコ
発売日: 2001年10月

自己欺瞞、ご存じですか?

 この本には、人の心に巣くう「自己欺瞞(ぎまん)」について書かれています。この本によれば、自己欺瞞により、会社、家族、その他の人間関係の多くの問題が引き起こされるそうです。部下と上司の会話を元にした会話形式で書かれていますので、非常に読みやすいと思います。しかしながら、書かれている内容は非常に深いです。

 自己欺瞞というのは簡単に言うと、文字通り「自分自身をだますこと」ということになります。タイトルにある「箱」というのは、というよりも「箱に入る」ということは、この自己欺瞞をするということという意味になります。自分自身をだますとはいったい何なのか?そして、それによってなぜ問題が引き起こされるのか?そして、そうならないためには何をすべきでないか、それについて丁寧に書かれています。

簡単に書いてしまうと、

自分が他人のためにすべきだと感じたことに背く行動を自分への裏切り、つまり自己欺瞞と呼ぶ。そして、いったんそういう行動をしてしまうと、自分の行動を正当化するために、正当化した視点から世界を見るようになる。それにより、様々な軋轢が生じることになる。

こんなところでしょうか?

 一般的な日常のことを題材にしていますので、ああ、自分もこういうことあるある!ときっと共感されることと思います。ただし、この本は共感するだけでは終わらしてくれないかもしれません。自分を見つめ直すいい機会に、きっとなるはず。

 大切なのは、すべての人が自分と同じように尊重されるべきニーズや希望や心配ごとを持った一人の人間であり、そういう人間であるとして相手を見ることが必要だということです。

新しいタイトルになって帰ってきました

 残念ながら、この本は出版社が解散したために絶版になっていました。にもかかわらず、インターネット上で絶賛されたおかげで、Amazonでは古書が異常な高値で売買されているという最低な状況でした。そんな「箱」ですが、ようやく新しい出版社に権利が移されたのか?帰ってきました。タイトルは「自分の小さな『箱』から脱出する方法」。つまり、ようやくまともな値段で購入できるということです。

自分の小さな「箱」から脱出する方法
著者: The Arbinger Institute
ページ数: 280ページ
出版社: 大和書房
発売日: 2006年10月19日

 非常に嬉しい。発売日はAmazonによると10月19日。私ももう1冊買っておこうかなぁと思っているところです。押しつけがましく読んでとは言えませんが、読むと新しい見方ができるそんな本だと思います。

第2弾

 実は本国アメリカでは、第2弾が出版されているそうです。タイトルは「The Anatomy of Peace: Resolving the Heart of Conflict」。そのまま訳すと「平和の分析: 心の衝突の解決法」といったところでしょうか?こちらも日本語に訳されると嬉しいなぁと期待するばかりです。

The Anatomy of Peace: Resolving the Heart of Conflict
著者: The Arbinger Institute
ページ数: 231ページ
出版社: Berrett-Koehler Pub
発売日: 2006年7月10日