他人の心などわかるはずがないということ

 このblogでは、人の心理について書いていて、まあ、もっともらしくわかったようなふりをしていますが、賢明な皆さんがお気づきの通り、その実なにもわかっていません。

 心理学と呼ばれるものを学ぶにあたって、自分が一応肝に銘じていることがあります。心理学は自分を知るためのものであって、他人を知るためのものではない。そして、他人の心など所詮わかるはずもないということ。

 前者はまあいいとして、後者についてこういってしまうと元も子もないような気がしますが、ただ、ある種のパターンはあると思っています。人の心を、それを作っている欲求をみると、ある種根源的なものに行き着くでしょう。

 ただ、それがどう実際に表現されるかどうかはわかりません。喜びとして表現されるのかもしれませんし、悲しみ、果ては怒りかもしれません。どう表現されるかはわかりません。

 よかれと思ってやったことが、実はその人のコンプレックスを刺激してしまって、怒りを買うかもしれません。根源的なものから、その人の今までの経験によって、表現される方向が決まってくると、そう思っています。

 そういう意味で、やっぱり他人の心はわかりません。

コンプレックス
作者: 河合隼雄
ページ数: 221ページ
出版社: 岩波書店
発売日: 1971年1月

 ただ、他人と接していて、その人のそういういろいろな考え方の基本となる部分にふれるにしたがって、どうしてこういう風に感じてたのだろうか?というのを見つめるにしたがって、少しはほんの少しはわかるかもしれません。

 逆に言うと、他人とのふれあいで初めてわかる、気づく自分ということもあるはず。どうして、こういう風に自分は思ったのだろうか?と見つめていくにしたがって、いろいろなものを発見できるかもしれません。そのために心理学というものはあると、自分の中では思っています。

 

 ん〜、いかんな。抽象的にばかり考えている。