悶絶するとき

 すごい文章を読むと、悶絶して、そこでいったん読むのを止めて、心の中でうごめくなにかが静まるのをしばし待つ。

 そういうときはあたりをぐるぐると歩き回ったりする。それが静まる間に、ぐるぐるしながら自分の中でそのすごい文章と感情を置く場所を探すの。だからね歩かずにはいられなくなるような、そんな感じになる。

 今「ほぼ日刊イトイ新聞」というサイトで、任天堂社長の岩田さんと糸井さんの対談のようなものが連載途中。

任天堂の岩田社長が遊びに来たので、みんなでご飯を食べながら話を聞いたのだ

 これ自体、ものすごくおもしろいのだけれど、久しぶりにこの二人の以前の対談を読んでみようという気になって読み始めた。

社長に学べ!

 何度も悶絶した。

 キーワードを抜き出すと、共感をいかにして得るか、「善意」の怖さ、「正しさ」の怖さ、覚悟、説得力のあるデタラメ、人は変わる、面談、続けること。

 この中で社員との面談のことが出てくるのだけれど、質問攻めにするときの質問ってどんなことを聞くのかなぁと、そこにひどく興味を惹かれた。

 人に共感をしてもらうためには、その人自身にこちらから興味を持って入っていかなければいけないのではないか?と思った。

 そういえば、旅館建て直しのスペシャリストの星野さんも面談してたっけ。

 岩田さんは、その人の隣に座ってその人が見ている景色を見ようとしている人だと思う。やってみればわかるけれど、これは本当に難しい。

 難しいけれども、岩田さんの場合は「覚悟」を決めてやっているのだろう。岩田さんの話を読んでいると、そういう「覚悟」を何度もしているというのに気づかれるでしょう。自分に必要なことの一つはそういった「覚悟」だと思う。

 最後に一つ注文があるとすれば、最近の対談を見てもそうだけれど、糸井重里という人はどうしても「理系」と「文系」とかいう(敢えて書くのだが)アホな、二項対立を持ち出したいのだなぁと、どうしてもそこに結びつけたいのじゃないか?という気がする。

 それが非常に気色が悪くてかなわない。

 でもね、それを岩田さんが華麗に受け流しているのが何度も見られて、そこが非常にステキ。

 余計ファンになりましたわ♪