インターネットは文化を取り戻すためにあるのだと思う

 文化とは何か?何を持って文化だとするのか?はわたしは明確にいうことが出来ないような気がするのだけれど、一部は芸術作品から作られるものなのだと思います。庶民生活とかいうこともあると思うのだけれど、芸術作品はやはり大きいものだと思われます。

 今まで、文化というものは経済至上主義によってどんどんと失われていました。売れるものだけが生き残り、そして売れるものもいつか売れなくなり消えていく。消えてしまえば、文化が失われる。そうして、どんどんと文化が失われました。そして、経済至上主義により流通させるという利権も生まれたのでしょう。

 もちろん、経済至上主義によって、芸術作品がある程度の速度を持って伝播することが出来ました。その利点はかつては大きかったのでしょう。

 そして、インターネットが生まれました。インターネットはあらゆるデジタル化可能なものを飲み込み、一瞬にして日本だけではなく世界に伝播することが可能となりました。それにより、もはや流通させるという仕組みはほとんど必要なくなり、かつての利権は失われようとしています。

 そうなれば誰でも生き残りに必死になりますので、利権側はまだ力があるうちに、法律、テクノロジーなどあらゆるものを使って、正義という大義名分を使って、インターネットを制限しようと試みます。しかしながら、最終的に消費者が買わなければなんにもならないということに気がつき、アメリカではmp3のDRMが廃止されつつあります。音楽自体が無料になり、デジタル化不可能なもの、たとえばライブなどで収益を上げようと少しずつ体質を変えていっています。

 わたしがインターネットを初めた97年に、友達にインターネットは目の前に図書館があるんだといった覚えがあります。今でもそれは変わりません。むしろ、YouTubeやニコニコ動画の出現はそれを加速しています。まさにようやく文化を取り戻すための時がやってきた、とそう感じています。

 残念ながら、文化を破壊していた利権団体にはつぶれていただくより他なりません。それにより一時的に文化が失われたように見えても、きっとそれは一過性のもので、インターネットを介して文化を増加していく仕組みが生じることをわたしは信じてやみません。文化は利権団体が決めるものではなく、我々自身が決めていくものです。