iPhone
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ただ単に表面に見えるマルチタッチをまねしてみましたということが見え見え。
下記のエントリに大変重要なことが書かれている。
iPhone 3Gを考える:iPhoneが提案するデザインとは
ジョブズ氏が考える「デザイン」とは?
iPhoneの最大の特徴は、自分のパーソナルデータとWeb上にあるデータをまるでひとつのアプリケーションで扱っているかのようにシームレスに利用できるところだ。
インターネットで見つけたイベントをワンクリックでカレンダーに追加する。位置情報からレストラン検索をしたら道順を教えてくれて、電話もすぐできる。「インターネット(フルブラウザ)」「カレンダー」「ナビゲーション」「地図」というキーワードをみると、それは日本の携帯電話でも既に実装されていて驚きはない。
ポイントはユーザー側に手間をかけさせることなく、それらの機能を繋ぎ合わせるかのようにデータを移動したり利用することができるソフトウェアとサービスがあるところだ。
今年のWWDCでも基調講演を行ったSteve Jobs氏は、デザインとは「how it works(どのように動作するかだ)」と語っている。
つまり、見た目や感覚的なところだけをデザインと指しているわけではなく、利用者が本当に実現したいことを単純に実現させることができるかどうかが「デザイン」だと説いているわけだ。利用者側で単純と思えることが、作っている側にとっても簡単なこととはいえない。ハードウェアだけでなく、ソフトウェアやサービスプロバイダそれぞれのレイヤーで連携や協力があってこそはじめて実現できる「単純」さだ。
マルチタッチにしてもそうだ。技術だけみれば日本が最初に作れたのかもしれない。しかし、マルチタッチをコンシューマープロダクトに実装し、使いやすいインタフェースと操作性の実現、さらにマルチタッチをはじめiPhoneのデータや技術をAPIとして解放し、開発者とも可能性を共有する姿勢。
また、Appleはスペックなどについての情報は極力出さないようにしている。
WWDC’08 インタビュー編:「iPhone 3Gは最良の体験をめざして進化した」――iPhone/MobileMe担当者インタビュー (1/5) – ITmedia +D PC USER
我々の方針で、本体のアーキテクチャなど、細かなハードウェアの仕様についてはあまりおおやけには話さないことになっています。我々はそうした個々のハードウェア要素ではなく、全体としての体験のよさに目を向けて製品開発をしています。
WWDC’08 インタビュー編:「iPhone 3Gは最良の体験をめざして進化した」――iPhone/MobileMe担当者インタビュー (1/5) – ITmedia +D PC USER
必ずハードウェア自体に目的が置かれるのではなく、そのハードウェアで何をするかに目的が置かれている。
たとえばiPodであれば手軽に音楽を聴くことであるし、iPhoneでは手軽に電話(というかスマートフォン) + iPod + Safariを使うこと。
その目的に合致しない合致しないことはばっさりと切り捨てる。
この本の冒頭では、筆者がディープブルーのDVD(サメが出てくるものではないみたいです)をきれいなテレビで見たくて、テレビを買いに行くという話から始まる。
発売日: 2005年5月27日
家電量販店に行き、ディープブルーがきれいに見られるテレビをくださいといった彼女に対する、店員の反応はスペック語りの嵐。
その日は結局止め、いくつか絞り込んだあとで最終的に選んだ理由はリモコン。
リモコンが部屋に置いてある様子を想像して、決めたとのこと。
リモコンと目的との解離はあるにせよ、このディープブルーが見たくてきれいなテレビが欲しいという動機は非常に本質的だと思った。