「ぐるりのこと。」を観ました

映画「ぐるりのこと。」を恵比寿ガーデンシネマで観てきました。
ぐるりのこと。

今日(正確には昨日)は水曜日で男女ともに1,000円で観られる日だったので、何となくよかったです。

個人的には心理学的に突っ込みまくっていくのかなぁと思ったのですが、そうでもなかったのです。
でもそれは映画だから映像から視聴者が読み取ってくれってことなのかもしれません。
淡々と描いているのだなぁと思いました。

ただね、ここまで書いて、日常に本質が現れているのと同じように、淡々と描くことが実は本質を突いているのかもしれないね。
あれだけ長い場面をワンカットで撮っているのがすさまじいと思った。
妥協のなさなんだろうね。

ネタバレをしないように書くのは難しいけれど(できる限りわからないように?書いたつもり)、やっぱりあの場面、台風のあの場面ですよ。
あそこで、ああようやく本音が出てきたなと。

ため込んで、ため込んで、ため込んできた本音がようやく出てきた。

そしてその直前で、翔子さんが、「悲しい?それとも残念?」という問いかけ。
さらにその前での(うろ覚え)「楽しいとか、悲しいとかいってくれる?」という言葉。

たぶんこの二つのことが繋がっていて、「残念」というのと「悲しい」というのとでは自分の入れ込み方が違う。
残念という言葉では、相手が何を考えているのか見えなくなってしまう。
相手のことがわからない、わからない、寂しい。

そしてその本音が出てきたところで、その景色を一緒に見ることができるか?
相手の世界に入っていけるか、それとも逃げるのかが試される、そんな風に私は観ました。

もう一方で、何でこのカットをここにおいたのかという見方をしたのだけれども、まだまだ一回じゃわからなかったな。
映画って何度も観るものじゃないのかもしれないけれど、でも何度も観て、味わいたい気がした。

P.S.
もしかして、こういう感想文って全部が書ける訳じゃないから、何を書いて、何を書かなかったが大事なのか?
ついつい自分は全部を書こうとして破綻してしまう気がする。