Monthly Archives: April 2010

Objective-Cでメンバ変数に動的にアクセスする方法

以下の文章はObjective-Cでメンバ変数に動的にアクセスする方法 | アクトインディ技術部隊報告書と同様のものです。

今回、複数回使い回したいViewがあったのですが、一方で様々なところで使われるものではありませんでした。
こんなときにわざわざクラスを作るのはどうも重い感じがしてしまいます。
そこでUIViewのサブクラスを作らずに、メソッドで作ることにしました。

  • UIViewController
    • 今回作成したいView
    • 今回作成したいView

というように複数個必要です。
このViewの中身はUILabelが2つだけ。

さらに出来ることなら、作成するViewの中身であるUILabelを、このViewを持っているViewControllerのメンバ変数からアクセスしたい。
以前はTagを割り当ててアクセスしていたのですが、意外と面倒だったのでそれ以外の方法がないかどうか調べてみました。

実際には以下のようなコードを使用することで出来ました。

#include <objc/runtime.h>

@implementation HogeViewController

- (UIView *)generateView:(NSString *)titleLabelName contentLabelName:(NSString *)contentLabelName
{
    UIView   *resultView;
    UILabel  *titleLabel, *contentLabel;

    // 便宜上CGRectZeroを使います。
    resultView = [[[UIView alloc] initWithFrame:CGRectZero] autorelease];

    titleLabel = [[UILabel alloc] initWithFrame:CGRectZero];
    [resultView addSubview:titleLabel];
    [titleLabel release];

    object_setInstanceVariable(self, [titleLabelName UTF8String], titleLabel);

    contentLabel = [[UILabel alloc] initWithFrame:CGRectZero];
    [resultView addSubview:contentLabel];
    [contentLabel release];

    object_setInstanceVariable(self, [contentLabelName UTF8String], contentLabel);

    return resultView;
}

@end

titleLabelName, contentLabelNameにはそれぞれに割り当てたいメンバ変数の名称を指定します。
こんな感じにobject_setInstanceVariable関数を使用してあげれば、割り当てたいメンバ変数に割り当てることが出来ます。

P.S.
といいつつも、実は様々なところで使われる必要がわかり、まじめにUIViewのサブクラスを作成したため、上記のコードはお蔵入りになりました。

参考文献

UITableViewにcellを動的に追加/削除する2つの方法。

以下の文章はUITableViewにcellを動的に追加/削除する2つの方法。 | アクトインディ技術部隊報告書と同様のものです。

UITableViewにcellを動的に追加/削除するということについて書こうと思います。

特にこれまでUITableViewのbeginUpdatesとendUpdatesという二つのメソッドを、いったいどんな場合に使用したらいいのか明確になっていませんでした。
ここら辺を重点的に書きたいと思います。

以下のAppleの公式ドキュメントにかなり詳しく書かれています。
Table View Programming Guide for iPhone OS: Inserting and Deleting Rows and Sections

cellを一つずつ追加/削除していく場合

cellを一つずつ追加/削除していく場合には、beginUpdates/endUpdatesの出番はありません。
追加/削除したいcellのindexPathを作成してinsert(or delete)RowsAtIndexPaths:withRowAnimation:メソッドを呼ぶだけ。
単純です。

ただし注意点はinsertRowsAtIndexPaths:withRowAnimation:メソッドを呼ぶと、UITableViewDataSourceのtableView:cellForRowAtIndexPath:メソッドが呼ばれるということ。
すなわち、cellの中身をNSArray等で管理している場合にはあらかじめNSArrayの内容を変更しておかなければなりません。

cocoa*life – UITableViewCellを削除ボタンを使って削除する

複数のcellをいっぺんに追加/削除する場合

ここまではbeginUpdatesやendUpdatesを使用する必要はありません。
では、どういうときに使用するべきなのか?

ポイントはbeginUpdates/endUpdatesに関することが書かれているセクションのタイトルがBatch Insertion and Deletion of Rows and Sectionsであるということ。
batchというのは英語で束という意味なので、「いっぺん」に複数のcellを処理したいときに使うということになります。

つまり、このメソッドを使用するかしないかの選択基準の違いは、一つずつかいっぺんかということになります。
もちろん複数のcellを追加/削除したい場合であっても、一つずつ追加/削除することができます。

beginUpdatesとendUpdatesで追加/削除のメソッド群を挟みます。
endUpdatesを呼び出したあと、tableView:cellForRowAtIndexPath:メソッドが呼ばれ、追加と削除の結果が表示されます。

beginUpdatesとendUpdatesで挟まれた追加/削除の挙動は、公式ドキュメントに以下のように書かれています。

The code calls the deleteRowsAtIndexPaths:withRowAnimation: method after it calls insertRowsAtIndexPaths:withRowAnimation:. However, this is not the order in which UITableView completes the operations. It defers any insertions of rows or sections until after it has handled the deletions of rows or sections. This happens regardless of ordering of the insertion and deletion method calls.

Deletions within an animation block specify which rows and sections in the original table should be removed; insertions specify which rows and sections should be added to the resulting table.

引用元: Table View Programming Guide for iPhone OS: Inserting and Deleting Rows and Sections(強調は引用者による)

この文章をまとめてみました。
(前提条件としてbeginUpdates/endUpdatesで囲まれている中では)

  • deleteRowsAtIndexPaths:withRowAnimation:メソッドをinsertRowsAtIndexPaths:withRowAnimation:メソッドの前に呼ぶことは必須ではない(not the order)。
  • 実際のcellの追加は削除のあとに行われる。上記メソッドの呼び出し順序は影響を及ぼさない(regardless of ordering of the insertion and deletion)。
  • 削除時のindexPathにはbeginUpdates呼び出し前、元々の(original)テーブルに対するものを指定し、追加時は削除後の結果となる(resulting)テーブルに対するものを指定する。

このような仕組みにすることで、以下のページに書かれているように1つのcellを削除するごとにindexPathを調整することが必要なく、削除を直感的に行うことが出来ます。
テーブルのセルの削除や追加にbeginUpdates/endUpdatesは必要か(2) – iPhoneアプリ開発まっしぐら★ – iPhoneアプリ開発グループ

ということで、beginUpdates/endUpdatesメソッドはcellをいっぺんに追加/削除したい場合に使えばよい!ということになります。

参考文献