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Inside Steve’s Brainを読む 2

Inside Steve’s Brainを読む 1の続き。

せっかくなので少しずつ読書記録をつけていきます。
気になるところがあれば、引用していきますので。

Introductionを読みました。
Introductionという名前通り、生い立ちとかこれまでのAppleとかNeXTとかPixarとかについて軽く触れているだけです。

辞書を引くところもあり、面倒なので単語を読み飛ばしてしまうところもあり、辞書を引くよりか、何となくで良いから読み通せばいいかなぁと思っています。

Inside Steve’s Brain
著者: Leander Kahney
ページ数: 304ページ
出版社: Portfolio
発売日: 2008年4月17日

Inside Steve’s Brainを読む 1

先日紹介した、Inside Steve’s Brainですが、勢いに任せて買ってしまいました。

Inside Steve’s Brain
著者: Leander Kahney
ページ数: 304ページ
出版社: Portfolio
発売日: 2008年4月17日

定価で$23.95もするのに、紙質が悪いよーというのは洋書のご愛敬でしょうか?

まだで出だししか読んでいないので何とも言えないところですが、背表紙に興味深いことが書かれていたので写真に撮ってみました。

  • I’m not afraid to start from the beginnig.
  • Creativity is just connecting things.
  • I want to put a ding in the universe.
  • Dylan and Picasso were always risking failure.
  • Software is the user experience.
  • People don’t know what they want until you show it to them.
  • Innovation has nothing to do with how many R&D dollars you have.

なかなか読み進めるのが楽しみな内容になりそうです。

失敗の輪郭

 林信行氏が「失敗に学べ」というなかなかステキなエントリを書いている。

nobilog2: 失敗に学べ

 今まで失敗は成功の元という言葉は良く聞いてきて、それらはたとえばエジソンなどの例を挙げたりとか、ある程度納得はしていたのだけれども、なかなかそれを許せない自分がいるということもまた(わたし個人の)事実である。

よく考えてみたら、失敗を経験していない人よりも、失敗を経験した人の方が、経験も豊富だし、注意深くなっているし、投資対象としても、信頼がおけそうなものなのに、日本の失敗してしまった悪者が、無情にも殺されるガッチャマンやら仮面ライダーでも見過ぎてしまったのだろうか。

 なぜだかよくわからないけれども、この林氏の言葉がストンと胸に落ちた。いや、実際はこの文章を読みつつ、読んでいなかった。注意深くなっているしという部分まで読んで、自分は、ああ失敗によって物事の輪郭が鮮明になったり、物事に対する感度が爆裂に上がるのかもしれないなと思った。その時点でこのエントリを書き始めようと思ってblogを開いていたのだった。

 以前「己と道具を知ること」というエントリで、理解していることとしていないことを明確にすることが非常に重要なのかもしれないと書いたのだけれども、失敗によってそれ以上に失敗を分析することによってその理解していなかったことが明確にわき上がってくるのかもしれないと感じた。

cocoa*life » 己と道具を知ること

 失敗を恐れないようにという。わかっていても恐れてしまう。もう恐れる恐れないとかの問題にしないで、失敗しても良くて、それによってより問題は輪郭になって本質がえぐり出されるともっとプラスの方向で考えた方がいいのかもしれない。

 そしてもう一つこのエントリから感じたのは、いくつかの場面から抽象化することは、抽象化した事柄から実際の場面を想像することよりも簡単なのかもしれないということだった。もし仮に本質的な抽象化された「真理」を知り得ていたとして、ある場面に出くわしたときに、切り口がないとその「真理」が適用できるかどうか気がつかない恐れはないだろうか?(ないかもしれないw)

 上で実際の場面を想像すると書いたのは、その多様な切り口を持つ必要があるであろうということで、至極当たり前な結論である。けれども、今まで抽象抽象と抽象化することばかりを考えていた自分にとっては大事なことかもしれないと思えたのだった。

携帯業界が非常におもしろいことになってきた

11月の携帯・PHS契約数、ソフトバンクがMNPでも首位に
 WINが出た数年前からやる気が全くなかったKDDIですが(DoCoMoと大差ないプラン、出来レースをしている)、ようやく今年になって好調時、つまり1Xで作っていたのびしろが消え失せて、ソフトバンクに負けて、さらに今月は大差をつけられるようになりました。

 先日、ソフトバンクを契約している友達と話していたのですが、最初は小さい字で書かれた注意事項がたくさんあってそれですごくだまされた人がいてこれはもうダメかと思ったけれど、そこからきちんと修正してホワイトプランの後は迷いがなくなったよねと。ショップもきちんと改装して、すごくおしゃれな感じになって。

 まあ、実際のところどうなのかはわかりませんが(最近2chとか見ていないので)、今は非常に好感触です。

 ウィルコムはちょっと新世代の開発が遅すぎましたね。イーアクセスに全部持って行かれる感じになってきている気がします。これからはやってくれると思っていただけに非常に残念無念です。やはり未来を予測することはなかなか難しいようです。技術から予測するとたいてい失敗しますね・・・。WiMAXどうなることやら。

ウェブ時代をゆく

 過去2回のメモ
「ウェブ時代をゆく」をようやく読み始める
「ウェブ時代をゆく」をようやく読み始める 2

ウェブ時代をゆく
著者: 梅田望夫
ページ数: 256ページ
出版社: 筑摩書房
発売日: 2007年11月6日

 新しい生き方。そして元気が出る本。

 ウェブ時代を生きる方法として、著者は一つの分野のスペシャリストになる「高い山に登る」方法と、スペシャリストは高すぎる山なので、他人とは違った自分自身の総合力を生かしジェネラリストになる「けものみちを行く」方法の二つを示している。

 その二つの方法に共通するのは、徹底的に「好きを貫く」という生き方である。

 インターネットの出現により知が拡散され、「学習の高速道路」というものができあがりつつある。それにより、インターネットに接続するすべてのユーザーに対して平等に「好きを貫く」機会が与えられたのである。

 この本を読んでいたら斎藤学著の「『自分のために生きていける』ということ」という本を思い出した。

「自分のために生きていける」−寂しくて、退屈な人たちへ
著者: 斎藤学
ページ数: 254ページ
出版社: 大和書房
発売日: 2004年09月

昔は、生物学的に生き残ること自体が大変で、よけいなことを考えているヒマがなかったかわりに、生きているだけで「ありがたい」と喜びを感じられました。今は、みんながそうそう簡単には死ななくなったかわりに、「生きる意味を見出す」という別の苦悩を背負ってしまったのです。

 人類の一部は、生きていくのには困らなくなって、生きる意味を見出すという新たなフェーズに入った。その結果、あえぎながらようやく人類が見つけたのは「好きを貫く」という生き方なのだろう。

 この本で人類は「新しい生き方」というものを知ったといっても過言ではないのではないだろうか。

「ウェブ時代をゆく」をようやく読み始める2

 相変わらず、思考のブラウン運動を感じるままに記していきます。そのため、乱文で申し訳ありません。

 ウェブ時代をゆくを中断して(読書中にもだえると中断して頭の中で感覚を咀嚼しようとします)、今、ほぼ日刊イトイ新聞の糸井さんとイチローの対談を読んでいて、やっぱり同じこと言ってるんですよね。対談の「ヒット一本が、どれだけうれしいか。」というタイトルもそうなんだけれど・・・

ヒット一本が、どれだけうれしいか。

自分が自分でなかったことに、
気づけたということ。

それはつまり、
「自分がやっていること自体よりも、
 世の中の人に評価をされることを
 望んでいた自分がいた」
ということです。

 まだ全部読んでいないのですが、彼は確かにお金をしこたまもらっているけれど、本当の目的はそうじゃないと思います。だって、ずっと野球続けたいって言っていたし。

 彼の場合は、(星飛雄馬のように育てられたんだっけかな 1 )楽しみを徹底的に追求した結果でしょうか???

 少し話をずらすと、イチローはヒット1本への感受性?みたいなものが他の人よりも遙かに高いのではないか?そうタイトルから感じました。これは、今読み途中の本、大数学者アンリ・ポアンカレの「科学と方法」 2 にも記述されています。

科学と方法
著者: アンリ・ポアンカレ
ページ数: 321ページ
出版社: 岩波書店
発売日: 1953年10月

すべての真の数学者が知るところの真の審美的感情であって、実に感受性に属するものであろう。

 もしかしたら、楽しいと思えることは、美的感覚と同じことか?イチローはヒット1本にかける感受性を自らをして向上させていったのかもしれません。

  1. それが嫌だと言っていたような気もするのですが、それを考えていたらふと、wikipedia: 性的嗜好を思い出しちゃいましたよw。ここのくだりです。

    イギリス人は18世紀、19世紀頃には、教育の厳格さで有名であり、子供を鞭打って躾をしたが、その結果、当時のイギリスの男女は成人した後、性的行為において、相手を鞭で打ったり、自分が鞭で打たれたりすることが嗜好である人が多数いた。

    []

  2. ポアンカレ予想を生み出したり、三体問題は解析的に説くことができないというようなことを証明した []

「ウェブ時代をゆく」をようやく読み始める

 本当は発売したらすぐ買いたかったのですが、事情によりようやく梅田望夫著の「ウェブ時代をゆく」を読み始めました。

ウェブ時代をゆく
著者: 梅田望夫
ページ数: 256ページ
出版社: 筑摩書房
発売日: 2006年11月6日

 とりあえず、気になったところをメモっていきます。感想は後で。

私は、オープンソースの思想と、それを支える「プログラマーという新しい職業人たち」が共有する「ハッカー倫理」とも称される新しい生き方の追求が、先進国の若者たちを起点に職業の枠を超え、世界中に広がる途上にあるのでないかと考える。

(略)

プログラマーとしての創造性に誇りを持ち、オープンであることに価値を感じ、報酬より仲間たちからの賞賛を大切にし、情報の専有より共有を重視する、などが「ハッカー倫理」を構成する特徴だ。しかしその根幹には、自分が「好きでやりたいと思うこと」を求める強い衝動がある。個々人がそれぞれ自発的におもしろさとやりがいを追求するほうが、金銭動機で達成されること以上の成果を出すのだという確信が、オープンソース・ムーブメントの思想的基盤となっている。

梅田望夫著 『ウェブ時代をゆく』

 これはまさに先日、うまく書けずにつたないエントリにした「金儲けを捨てる」で書いたことでした。金銭面よりもモチベーション。そういう基準が様々な分野で広がっているということを感じます。

 たびたび出しますが、星野佳路さんが率いる星野リゾートが1990年後半からやってきたのはそういうことだったと思います。いかに社員に楽しんでもらうかという観点。

金儲けを捨てる

マーケティング的な発想で始めないほうが良い。 情熱と使命感のあるビジネスを見つけよう!

 まず、金儲けから始めてはいけないというのが実感ですね。それだけでは、自分も飽きちゃいますし、会社という組織を持続させるのも難しいでしょう。ビジネスって、お客様、社員、関係事業社、みんな一見金儲け、バリューの交換でつながっているように見えるのですが、やはりそこは人間が携わるものですから、最後はミッションや使命感というものでつながっているべきだと思います。ですから、これが儲かるとか、ニーズがあるとか、これを顧客は求めているとか、マーケティング的な発想だけでビジネスを始めてしまうと、たぶんすぐにつまらなくなってしまうでしょうし、続けられないのではないでしょうか。

 金儲けの概念をいったん捨てて、粛々とビジョンを実現していく。これを読んでいて、Appleを思い出しました。Appleはお金儲けをしようとしている匂いがしない。ただ、粛々と自分たちがほしいと思うものを、コンピュータはこうあるべきだというビジョンを実現しようとしているように見えます。Googleも同じ。ただ粛々と世界にある情報を全部整理したいというビジョンを掲げて突っ走っている。

 以前、親友と話していて、やっぱりお金は欲しいけれども、それ以上にやりがいの方がずっとほしいよねという話になりました。もし会社をやるときに、社長自体はお金が儲ければいいのかもしれないけれど、やはりやりがいをどう提供するか?ということを考えないと社員はどんどん去っていくような気がします。と、そんなことやったことがない人が言っても偉そうに聞こえるだけでしょうが・・・。

(追記)そういえば、Googleの中の人も同じことを言っていたと、tumblrをぱらぱら見ていたら思い出しました。

「これはどうやったら金儲けにつながるか」と考え始めた途端、本来あるべきサービスから微妙にずれ始めるんですよ。ひたすら自分の友達、家族、コミュニティに喜んでもらえるようなベストのサービスを作り上げ、磨き上げることを保証するには、「これに課金していく」類のことを考え始めたら、いきなりおかしくなるんです。

悶絶するとき

 すごい文章を読むと、悶絶して、そこでいったん読むのを止めて、心の中でうごめくなにかが静まるのをしばし待つ。

 そういうときはあたりをぐるぐると歩き回ったりする。それが静まる間に、ぐるぐるしながら自分の中でそのすごい文章と感情を置く場所を探すの。だからね歩かずにはいられなくなるような、そんな感じになる。

 今「ほぼ日刊イトイ新聞」というサイトで、任天堂社長の岩田さんと糸井さんの対談のようなものが連載途中。

任天堂の岩田社長が遊びに来たので、みんなでご飯を食べながら話を聞いたのだ

 これ自体、ものすごくおもしろいのだけれど、久しぶりにこの二人の以前の対談を読んでみようという気になって読み始めた。

社長に学べ!

 何度も悶絶した。

 キーワードを抜き出すと、共感をいかにして得るか、「善意」の怖さ、「正しさ」の怖さ、覚悟、説得力のあるデタラメ、人は変わる、面談、続けること。

 この中で社員との面談のことが出てくるのだけれど、質問攻めにするときの質問ってどんなことを聞くのかなぁと、そこにひどく興味を惹かれた。

 人に共感をしてもらうためには、その人自身にこちらから興味を持って入っていかなければいけないのではないか?と思った。

 そういえば、旅館建て直しのスペシャリストの星野さんも面談してたっけ。

 岩田さんは、その人の隣に座ってその人が見ている景色を見ようとしている人だと思う。やってみればわかるけれど、これは本当に難しい。

 難しいけれども、岩田さんの場合は「覚悟」を決めてやっているのだろう。岩田さんの話を読んでいると、そういう「覚悟」を何度もしているというのに気づかれるでしょう。自分に必要なことの一つはそういった「覚悟」だと思う。

 最後に一つ注文があるとすれば、最近の対談を見てもそうだけれど、糸井重里という人はどうしても「理系」と「文系」とかいう(敢えて書くのだが)アホな、二項対立を持ち出したいのだなぁと、どうしてもそこに結びつけたいのじゃないか?という気がする。

 それが非常に気色が悪くてかなわない。

 でもね、それを岩田さんが華麗に受け流しているのが何度も見られて、そこが非常にステキ。

 余計ファンになりましたわ♪

イノベーションのジレンマを打ち破ろうとする、任天堂

まさにイノベーションのジレンマ

 どんどんと、画質が良くなるというスペック競争に陥ってしまったゲーム業界。そこはまさに、イノベーションのジレンマで書かれているような状況になってしまったわけです。

イノベーションのジレンマ 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき
著者: Clayton M. Christensen
出版社: 翔泳社; 増補改訂版
ページ数: 327ページ
発売日: 2001年7月

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