久しぶりに聴き直す

 久しぶりに、iTunesの中に入れてある熊木杏里の曲を全曲シャッフルで再生している。

 彼女を初めて知ったのは、確かたまたまどこかのサイトで「咲かずとて」PVを観た時だと思う。「あなたを愛せない 私はどこへも行けない」という出だしにすさまじい衝撃を受けたと同時に、当時のいろいろな自分の状態を重ね合わせて、すっかり引き込まれてしまった覚えがある。

 久しぶりにデビュー当時のそうした歌を聴くと、彼女の中の暗い闇の部分が見えていて、同時にこれを聴いていた当時の自分の内面も見えてきて。ああ、あの頃は今よりもずっと堕ちていたんだなと感じた。苦しかったんだなぁと思った。

 今の曲を聴くと、確かに昔よりも軽い。軽いのだけれども、彼女が考えなくなったという意味で軽いのではないように見える。いろんな内面をそれでもいいよと一度赦してしまった、そんな身軽さなのかもしれない。

 次のアルバムも楽しみにしている。