「レスラー」を観ました。

渋谷で「レスラー」という映画を観てきました。
シネマライズという映画館ですが、平日学生は1,000円なのがとてもいいですねw。

主人公はミッキー・ローク扮するレスラーのランディ。

いろいろなものを失い、一度はレスリングを離れる。
そこで新たな道を模索するけれども、さらに追い打ちをかけるように、彼の大切な人ことすべてを失ってしまう。
そのとき、彼はもう一度大好きなレスリングにコミットし直す。

山月記の主人公、李陵が言うように「人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、何事かをなすにはあまりにも短い。」のであって、彼にはレスリング、そこにしかもはや自分の道や居場所がないということを人生から思い知らされ、気づいたから。

すべてを失ったとき、本当に大切なものだけが残る。
Steve Jobsが2005年のStanford大学での卒業記念講演で

Remembering that I’ll be dead soon is the most important tool I’ve ever encountered to help me make the big choices in life.
Because almost everything — all external expectations, all pride, all fear of embarrassment or failure – these things just fall away in the face of death, leaving only what is truly important.

自分がもうすぐ死すべき存在だということを覚えておくことは、わたしが人生で大きな選択をしようとするときに最も重要なものとなった。
というのは、それがすべてだから。
すべての外的な期待、困難や失敗への恐怖、これらは死というものに面したとき、崩れ落ち、本当に大切なものだけが残るのだから。

と語ったことが思い出された。

そんな状態の自分を救えるのは、残念ながら自分だけしかいない。
それは残酷でもあれ、しかしながら自分自身で決めることもできるという希望の光にもなる。
そのことに気がついたとき、ランディも自分を救おうとし、自分の居場所を自分で作り出そうとする。

だからこそ、泣きながらでも走るしかなく、最後まで全力でコミットしぶつかろうとするのだ。

見終わってエンドロールが流れている間、ふと、今の自分に重ね合わせた。
後になってぐっと来た映画だった。