トウキョウソナタ

恵比寿ガーデンシネマにて、以前から観たかった「トウキョウソナタ」を観てきました。

物語の設定は、どこにでもありそうなごく普通の家族。
物語は父親がリストラされることから始まる。

家では権威主義的に振る舞っている父親も、リストラをされても家族に言えず、毎日スーツを着て仕事に出ていく。
その権威主義の脆さを、家族は、家族であればこそ完全に見抜いてしまう。

そしてリストラを機にどんどんと歯車が狂っていく。
いや、すでに以前から狂っていたのの象徴として、このリストラがモチーフになっているのかもしれない。

どこかで、この映画の核は母親と食事だと書かれていましたが、自分もそんな気がした。

「全てが終わって」戻ってきたときに、「待ってて、今からご飯作るから」と言ったその母親の言葉は、一方では滑稽でもあり、それでもこの家族というものをまとめ上げるのには非常な力を持っている、そんな感じがする。

何か音を立てて崩れるとき、人間はどうしてもそれに抵抗してしまう。
変化が怖いから。
でも、受け入れて、倖せを目指すと心から決めたときに、ようやくそこから今までとは全く違った方向に、とらわれていたときには全く想像も付かなかった方向に、新しく歩んでいける。

するめみたいな映画になりそうです。