Category Archives: Brain

二念を継がない

 昨年末の忘年会の際に教授と話をしていて、興味深いことを聞いた。

 まだ、学生時代だった頃のことだそう。

 とある授業があって、その授業の最初は瞑想をする。瞑想の方法というのは二念を継がない。二念を継がないということはどういうことか?要は次のことを考えないということ。

 何かを考えだしてしまうと二念を継いでいるということになる。

 そのときは、へーそういう瞑想っていうのもあるんだと思ったぐらいなのだったけれども、自分の中にどうもひっかかってそのことをぼんやりと考えているときがあった。

 なぜ引っかかったのかといえば、もともと瞑想についてはかなり興味があったということと、クリシュナムルティは瞑想の方法について、常にしているものであるというのと、自分の心の動きを観察するものであると述べていて、それと若干違っているような気がしたから。

 でも、よくよく考えてみれば、同じことで、要として集中力をつけるということにあるのではないかと思った。

 心の動きを観察することも言ってみれば自分の心の動きだけを見つめていると言うことで、二念を継いでいないし、集中するということはどういうことかと言えば、他のことには気を配らずにそれだけをやるということなのであるから、二念を継いでいない。

 最近、イスラーム文化や仏教哲学の本を真面目に読んでいないので、忘れてしまったのだけれど、確かそれらでは人間の意識はいくつかの階層に分けられていて 1 、その下の方まで瞑想で降りていく。それは、結局集中しているということではないかと思った。

 人はある程度訓練すればきっとある程度のところまでいけると自分は信じている。だから、少し日々二念を継がないように生きてみようと思う。人間なので、いきなりというのは無理なのだけれども、それでも日々やっていこうとするということに意味があるだろうから。

 人生は複利計算。

 久しぶりに読みかけの東洋哲学の本、井筒俊彦さんの「意識と本質」を読みたくなった。

意識と本質 ― 精神的東洋を索めて
井筒 俊彦 著
ページ数: 417ページ
出版社: 岩波書店
出版日 1991年8月
  1. ユングでも同様だが、ユングと同様というわけではない []

独創性の鍵の一つには「無知の知」があるか?

 コンピュータの父であるアラン・ケイ氏が東工大と東大で一昨日、昨日と講演をしていたのに今更気づいて大ショックです。聴きに行きたかった。

大島芳樹のカリフォルニア日記 – [アラン・ケイ] 東大での講演

参考
アラン・ケイ [wikipedia]
アラン・ケイ [Amazon]

 それで、仕方がないので以前、後藤貴子氏がアラン・ケイ氏に行ったインタビューをもう一度見直してみました。

後藤貴子の米国ハイテク事情 コンピュータは人間を進化させるか アラン・ケイ氏インタビュー

 読んだことがない方は是非読んでみてください。コンピュータだけではなく、普遍的な哲学、科学する心について語っています。

 このインタビュー中で、アラン・ケイ氏は本文中にも書いてあるように「餌を見ることができないで飢死するカエル」の話で「気づかないことが多いと言うことの重要性」を語っています。

カエルは動くハエしか餌として認識できないため、死んだハエを目の前に置いても気付かないのだそうだ。逆にボール紙などで作った疑似餌を動かすと飛びつくが、疑似餌だから食べられない。

 読み進めているうちに、ふと独創性というのは無知の知によって生み出されるのではないかとそう思えました。しかしながら、これを思ったときには、これを書いている今現在も、まったくもって当たり前のことだろうと思う自分もいるという、不思議な違和感があります。しかしながら、この違和感が自分が気づいていなかったことに気づいたことの証なのかもしれません。

欠けているのはパースペクティブ(視野)だ。パースペクティブの欠落は好奇心の欠落に直結する。もしあなたが世界全体を見終わったと思うなら、あとはすべてのものに名前を付ければいい。しかし全部は見ていない、どころかほとんど見ていないと気付いたとたん、名前のないものを探し始めなければならない。

 独創的であるというのはすなわち、誰も気づかなかったことに気づいたということです。気づいていなかったということに気づいて初めて思考が動き出すのです 1 。ここまで書いていて余計に、当たり前のことを書いているなと思ってしまいます。

 しかしながら、気づかないことに気づくというのはとても難しい。それが簡単にできていれば、独創性というものを求めて苦労する必要はありません。そして、気づかないことに気づいた瞬間にはすでに気づいているのだから、などという禅問答チックの台詞は置いておいて、ではどうすれば気づくことができるのか?

 まずアラン・ケイ氏が指摘しているように、知らないことの方が多いという現実を受け入れることをはじめとするでしょう。しかしながら、これではまだ漠然としすぎています。と・・・、ここまで書いていて、その先がうまいこと書けない。書けないというよりも、まだわからないという方が正しいのかもしれない。

 なので、いったんこの話はここでおいておくとします。

 そして最後に・・・、私は独創性のそのほかの鍵として、やはり「好奇心」と「自己愛」の二つを挙げずにはいられません。

  1. この文章の「初めて」と書いた部分には違和感があります。違うかもしれません。 []

iPod用オーディオブック(速聴版)の作り方

速聴はよさそう、かも?

 最近は英語が少なくとも聞き取りぐらいはできるようになりたいと強く思っています。速聴をすると上達が早いかもしれないと思って、ちょっと自分もやってみようと思いました。実際に効果があるのかどうかまではわかりませんが、脳を活性化させるのにも良さそう?です。

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